読んだ本について記録する 7
『池袋交差点24時』加藤ひさし&古市コータロー Pヴァインブックス 2012

もう寝ないといかんと思いながらテレビを見たら、清水ミチコが出ていた。
清水ミチコは好きなので、見始める。
居酒屋のカウンターの中にママよろしく清水ミチコ。トーク番組らしい。
他の出演者は、ローリー寺西に、リアル天才バカボンもといカジヒデキ。

あ、コレクターズの人たちも出ている。

20年ほどまえ、アルバム"Picturesque Collectors’ Land"をきっかけに、空前の「ザ・コレクターズ」ブームが個人的に到来した。
そしてまもなく、ブーム収束。
その後のコレクターズについては、あまり知らない。

そんなコレクターズの加藤ひさしと古市コータローが、CSとはいえ、テレビに。

と思いつつ見ていると、彼らはゲストではなく、なんとこの番組のレギュラーだった。

映画について語っていたのだが、「さらば青春の光」とか「コレクター」とかいかにもなタイトルに混じって、加藤が「下妻物語」をあげていた。

茨城県でひたすらロリータな深田恭子と、どんなに暑くてもひとり熊谷でモッズな加藤。
モッズ一筋25年。

そんな加藤と古市のポッドキャスト番組が「池袋交差点24時」。
人気コンテンツらしい。そこからの抜粋を書籍化。
紙が厚くて写真が多くてフォントが少ない、意外と豪華本。
パイロット版というか、カタログ的なもの。

テレビでは圧倒的に、アタックの強い声の加藤が抑揚の効いた語りを展開していたが、ポッドキャストでは意外にも、古市が奔放に語り倒しているようだ。
飽きっぽい、わがままな東京っ子の資質全開。

わたしのお気に入りは、加藤がおにぎりの思い出を語る「おにぎりは見かけがすべて」。おばあちゃんにのりたまと間違えてお茶漬け海苔を掛けられてしまい、同級生に歌に歌われるほどの緑色のおにぎりを食べた思い出を、時代に先駆けていた、「早かったね、モッズだね。」と総括。

あと、やはり加藤がシベ超3を「見届けるため」と試写へ行ったら3人しか客がいなくて、そのうち一人は5分で退出してしまい、結局帰りのエレベータにマイク水野とふたりで乗り合わせた話とか。

すごいな。見届けたいか、「シベ超」を。

この手の本の名作と言えば、
『タキモトの世界』 久住昌之、滝本淳助 太田出版 1992

決定的な違いと言えば、『池袋』はこれ見よがしに読んでもいいけれど、『タキモト』はわりとこっそり読むな。なんだかんだ言って。
あと『タキモト』、人に薦めにくい。

タキモト、早すぎたね。モッズだね。

今調べたら、『タキモト』、復刊されていた。びっくり。

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