「別役実フェスティバル」開催!
2015年3月19日 演劇昨日の日刊スポーツより
来年7月にかけて、別役作品を連続上演するそうだ。
こういう記者発表の記事は、スポーツ紙でないとなかなか読めない。
新作も予定されているそうだ。
ホームページによると、「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」をテアトルエコーが上演するとか。
来年7月にかけて、別役作品を連続上演するそうだ。
こういう記者発表の記事は、スポーツ紙でないとなかなか読めない。
新作も予定されているそうだ。
ホームページによると、「諸国を遍歴する二人の騎士の物語」をテアトルエコーが上演するとか。
そして舞台に一本の木
2014年4月19日 演劇
劇団東京乾電池本公演
別役実作、柄本明演出
「そして誰もいなくなった~ゴドーを待つ十人のインディアン~」
下北沢 本多劇場
日刊スポーツの記者コラムを見て知った公演。
別役作品ですと。
なんとなんと。
これは行かねば。
急遽チケットを手配。
演劇の本丸、本多劇場に初めて乗り込んだ。
なんか、王道っつう感じだ。
東京乾電池と言えば、個人的には「笑ってる場合ですよ!」に尽きる。
ニュースステーションの「金曜チェック」と並んで、小劇団的なものをわたしに知らしめてくれたものだ。
なんだ、小劇団的なものって。
1980年当時のわたしの小劇団観、それは、「生活費にゆとりがないにもかかわらず、人を笑わそうとしている奇特な人たち」という大変失礼なものだったことを思い出す。
上演作品は、タイトル通り、「ゴドーを待ちながら」+「そして誰もいなくなった」。
チラシによれば、そこにモンティ・パイソン的ななにかも加わるとのこと。
お茶会に集められた人々と召使夫婦。主催者のゴドーを待ちながら、なんやかやでひとりずつ死んでいく。
不条理劇を解っているとはまったく言えないが、不条理さが醸す可笑しさや哀しみがあるわけで、それをさらに喜劇として面白くしようとすると、喜劇としての面白さが勝ってしまうのかな、という気がした。
でもやっぱり、生身の役者さんのリズミカルな動きは魅力的だ。
綾田俊樹はすっかり好々爺だなあ。
柄本明が、「今日はたくさんお客さんが来てくれたが、日程の最初のほうはこんなではなかった」「でも、お客さんが少ないのは嫌いじゃない。出演者10人なら、お客さんが10人くらいだと、緊張感があって」「とはいえ、やっぱりお客さんはたくさん入る方がいい」と言っていた。
わたしのように、新聞なんかで公演を知った人が多いのだろう。
この作品は、本多劇場こけら落とし3公演のうちの一つだったとか。
中村伸郎の舞台をたくさん見ておきたかったなあ、と思う。
別役実作、柄本明演出
「そして誰もいなくなった~ゴドーを待つ十人のインディアン~」
下北沢 本多劇場
日刊スポーツの記者コラムを見て知った公演。
別役作品ですと。
なんとなんと。
これは行かねば。
急遽チケットを手配。
演劇の本丸、本多劇場に初めて乗り込んだ。
なんか、王道っつう感じだ。
東京乾電池と言えば、個人的には「笑ってる場合ですよ!」に尽きる。
ニュースステーションの「金曜チェック」と並んで、小劇団的なものをわたしに知らしめてくれたものだ。
なんだ、小劇団的なものって。
1980年当時のわたしの小劇団観、それは、「生活費にゆとりがないにもかかわらず、人を笑わそうとしている奇特な人たち」という大変失礼なものだったことを思い出す。
上演作品は、タイトル通り、「ゴドーを待ちながら」+「そして誰もいなくなった」。
チラシによれば、そこにモンティ・パイソン的ななにかも加わるとのこと。
お茶会に集められた人々と召使夫婦。主催者のゴドーを待ちながら、なんやかやでひとりずつ死んでいく。
不条理劇を解っているとはまったく言えないが、不条理さが醸す可笑しさや哀しみがあるわけで、それをさらに喜劇として面白くしようとすると、喜劇としての面白さが勝ってしまうのかな、という気がした。
でもやっぱり、生身の役者さんのリズミカルな動きは魅力的だ。
綾田俊樹はすっかり好々爺だなあ。
柄本明が、「今日はたくさんお客さんが来てくれたが、日程の最初のほうはこんなではなかった」「でも、お客さんが少ないのは嫌いじゃない。出演者10人なら、お客さんが10人くらいだと、緊張感があって」「とはいえ、やっぱりお客さんはたくさん入る方がいい」と言っていた。
わたしのように、新聞なんかで公演を知った人が多いのだろう。
この作品は、本多劇場こけら落とし3公演のうちの一つだったとか。
中村伸郎の舞台をたくさん見ておきたかったなあ、と思う。
誰かがくるのをまっている
2013年6月23日 演劇
別役実・作、佐野剛・演出、兵庫県立ピッコロ劇団『不条理・四谷怪談』(座・高円寺2)
作中の伊右衛門は、釣りにおいては誠実な男である。
賽の河原ぎりぎりにいて、なお、誠実に釣り糸を垂れる。
伊右衛門は不誠実な男であって、妻を不幸に追い込む。
策は甘く、なんだかわからないうちに殺人を重ねる。
自分が殺した人たちに追い込まれ、自滅する。
自滅の際にあって伊右衛門がこだわったことは、自分が正気のまま果てたかどうか。
浪士の山鹿流陣太鼓に送られるように、こときれる。
「東海道四谷怪談」と赤穂浪士の討ち入りという、よく知られたふたつの話を綯い交ぜにして書かれた戯曲。
「赤穂義士は、本当に全員討ち入りに参加したかったのだろうか?
そうしなければいけない空気があって、やむをえず参加した人間がいたのではないか?」
「「討ち入り」イコール「イベント主義の理想」というのが本当は場当たり的で「狂気」なのではないか?」
(公演リーフレット掲載 作者の言葉より)
マスの声に翻弄され慌てふためき、後になってみて、マスがなんだか判らない時がある。
演じたピッコロ劇団は、県立の劇団だそうである。
別役作品を前回見てから、少なくとも25年は経っている。
もともとは、朝日ジャーナルの「犯罪季評」くらいしか読んでいなかった。
その後、三一書房から出ていた戯曲集を、図書館で借りて読んでみた。
大学生の時、『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』を見た(1987年10月、パルコスペースパート3)。
演劇集団円の中村伸郎と文学座の三津田健の共演とあって、たいへん話題になった公演だった。
いまにも朽ちてしまいそうな騎士が二人、殺しあうのか、誰かに殺されるのか。
と思えば、二人をのこして、他の登場人物はどんどん死んで行ってしまう。
二人はじっと、誰かが来るのを待つ。
自分たちを殺そうとする相手が、来るのか来ないのか判らない相手が来るのをじっと待つ。
伊右衛門も、いるのかいないのか判らない者が来るのを待っていた。
柳の木が、電信柱の代わりだったのかな。
参考文献 「新劇」1987年11月号
作中の伊右衛門は、釣りにおいては誠実な男である。
賽の河原ぎりぎりにいて、なお、誠実に釣り糸を垂れる。
伊右衛門は不誠実な男であって、妻を不幸に追い込む。
策は甘く、なんだかわからないうちに殺人を重ねる。
自分が殺した人たちに追い込まれ、自滅する。
自滅の際にあって伊右衛門がこだわったことは、自分が正気のまま果てたかどうか。
浪士の山鹿流陣太鼓に送られるように、こときれる。
「東海道四谷怪談」と赤穂浪士の討ち入りという、よく知られたふたつの話を綯い交ぜにして書かれた戯曲。
「赤穂義士は、本当に全員討ち入りに参加したかったのだろうか?
そうしなければいけない空気があって、やむをえず参加した人間がいたのではないか?」
「「討ち入り」イコール「イベント主義の理想」というのが本当は場当たり的で「狂気」なのではないか?」
(公演リーフレット掲載 作者の言葉より)
マスの声に翻弄され慌てふためき、後になってみて、マスがなんだか判らない時がある。
演じたピッコロ劇団は、県立の劇団だそうである。
別役作品を前回見てから、少なくとも25年は経っている。
もともとは、朝日ジャーナルの「犯罪季評」くらいしか読んでいなかった。
その後、三一書房から出ていた戯曲集を、図書館で借りて読んでみた。
大学生の時、『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』を見た(1987年10月、パルコスペースパート3)。
演劇集団円の中村伸郎と文学座の三津田健の共演とあって、たいへん話題になった公演だった。
いまにも朽ちてしまいそうな騎士が二人、殺しあうのか、誰かに殺されるのか。
と思えば、二人をのこして、他の登場人物はどんどん死んで行ってしまう。
二人はじっと、誰かが来るのを待つ。
自分たちを殺そうとする相手が、来るのか来ないのか判らない相手が来るのをじっと待つ。
伊右衛門も、いるのかいないのか判らない者が来るのを待っていた。
柳の木が、電信柱の代わりだったのかな。
参考文献 「新劇」1987年11月号