ジェフ・ベックって人はきっと、ギターの一部分なんだ。
あるいはギターが、ジェフ・ベックという人の一部分。

何故ベックが好きかと言えば、ギターばっかり弾いているからだ。
たまに歌いもするけどな。
で、ちょっと歌うたび、なにかしらケチをつけられる。気の毒。言うほどひどかねえよ。

何年か前のギターマガジンに、ベックのファッションの変遷を取り上げたページがあったが、要するに40年前も20年前も5年前も、服装の構成要素は基本変わっていないのだ。それは誰もが指摘するところである。
服装だけ見ると、何年頃の撮影か全くわからない。
シャツの袖が長いか短いかくらい。
最近はよく首にマフラーみたいなのを巻いているが、顎のあたりの贅肉が気になるのでしょうか。

ベック・ボガート&アピス ライヴ・イン・ジャパン 40周年記念盤

1973年の来日公演実況盤。従来盤をリマスタリングし、セットリストに沿った曲順に改めている。

以下感想。
・カーマイン・アピスのドラムスが妙にパタパタしている。
・ちょっとポリカ板でも叩いている感じ…
・よくこんなに手数の多いドラムスを叩きながら、メインヴォーカルを務められるなあ。
・ティム・ボガートのベースも強力だ。ぶんぶんあっちいったりこっち来たり。"Loose myself with you"で聴かれるソロが、ギターじゃなくてベースの音とは…
・3人組、ハーモニー、ってわけで、クリームを思い出す。最近聴いていないクリーム。あ、クラプトン来日するなあ。
・クラプトンはどうでもいいが、ポール・キャラックがメンバーで来るらしい。いいなあ。ドラムスはスティーヴ・ガッドだよ。
・昔クラプトンを見たときは、ベースがドナルド・ダックダンだったんだ。RIP…
・あ、いかんいかん。なぜクラプトンのことを考えていたのだ。
・こんなに迫力のある演奏を残しながら、メンバーがあまり前向きなコメントを寄せていないのが残念。というか、ベックからは一言もない。
・レココレ11月号のCharのインタビューによると、ベック・ボガート&アピスのことは語りたくない過去らしい。
・なんにせよ、オープニングの"Superstition"がカッコいいんだ。
・"Lady"がまた凄いんだ。
・そして"Jeff’’s Boogie"がまた。ベックみたいにギターを弾けるようになれるとは、万に一つも思えなくなる。
・"Why should I care"の、ライヴのうきうきした感じがいいなあ。映像はないのか映像は。

ベック・ボガート&アピスは言わばスーパーバンドである。
最少の人数で凄い演奏をしている。緊張度の高いライヴである。
2年ほどで活動を終えている。
素晴らしい記録だ。

73年のライヴレコーディングに携わったのは、CBSソニーに入社して数年という若い社員エンジニアだったそうだ。ライナーの彼らのインタビューも面白かった。
「ベックはおとなしいけど、大人って感じじゃなかった」という談話が、Charの「ベックは褒められて伸びる子」につながるなあ、と思った。

ベックはこの後、"Blow by blow"、"Wired"と、インスト、フュージョン路線へとシフトしていく。

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