ほんの少ししか見られませんでした。残念


ほっそりした弘田三枝子、夜会っぽい素敵なドレスで登場。

「人形の家」なのかー、と思ったら、

「弘田三枝子さんには、デビュー曲を歌っていただきます」。

歌唱を見るのは初めて、『子供じゃないの』。

弘田三枝子はマイクを持った左手の甲というか手首辺りを、右手で叩きながらリズミカルに歌う。
ところどころ唸りを入れて、独特のハネは健在。
弘田三枝子リズムだ。
譜割りに関しては、弘田三枝子アレンジと言って良いようだ。
漣健児の研究本のインタビューで語っていたのを読んだ。

歌詞の描写は、今となっては夢のような世界である。
きっといまの10代後半は、大人になることにここまでの憧れを持っていないだろう。

モクハチはあいかわらず、いまどきNHKでも紅白でしか見られないバックダンサーを繰り出してくる。
頑張って続けてほしいなあ。

don’t trust under 90.

2015年2月8日 TV
「日曜美術館 『行き暮れてひとり ~画家 野見山暁治のアトリエ日記』」 NHK教育


日野原重明氏が新聞連載で、「自分と同年齢かそれより上で、現役の人はいるのだろうか、と思っていたら、画家中一弥氏の存在を知り、意を強くした」と書いていた。

日野原氏、中氏とも、1911年生まれだそうだ。
1911年、明治44年だ。

それより若いと言えば若いが、野見山暁治氏は1920年生まれだそうだ。

昨年放送された番組の再放送。

学業を切り上げさせられて戦地へ赴けば、病で死線を彷徨う。
戦後修行に出たパリでは、妻をひとり看取る。
再婚相手にも先立たれる。

被災地を訪れて、感じた恐怖を語る野見山氏。
さんざん悲しい思い、怖い思いをしているだろうになお、やがてすべて滅びてしまうのではないか、という恐れを感じたという。
ぼんやりとしているうちにひとり残されて日が暮れてしまった、「行き暮れているよう」な感覚である、という野見山氏。

テレ東「美の巨人たち」で藤島武二『黒扇』を取り上げたときの取材風景に、「野見山氏は確かに93歳(当時)だが、時折、青年と話しているような錯覚があった」とある。

人生経験を仔細に記憶していて、その感覚を身近なものとして保ち続けている感性が凄い。
淡々と語り、黙々と制作に励む野見山氏。
自作の赤い鬼の面を被り、「鬼は外」とアトリエに豆をまく野見山氏。

赤いニットにスカル模様のマフラーが、とっても素敵。