交差点の向こうに、ヒッチハイクの人がいた。

どこまで行きたいのだろう。
見たところ、男性の若者ひとり。
こちらは助手席にケーキの箱。

などなど考えているうちに信号が変わった。
と、さっきまで自分をぶんぶん扇いでいた段ボールを車道に向け、親指を上げて突き出す彼。
高島父ポーズ。あるいは浪越インスパイア。
プリズナー№6では、最終話のエンドロールであの人が…

などなど考えてつつ、彼の掲げる段ボールを見ると、
「名古屋」。

高速道路の入り口が近いので、ポジション的に彼は正解だ。
だがわたしは名古屋へ行かない。高速道路にものらない。

家に着くまでのあいだ、「ヒッチハイクの人を乗せていたら」を妄想。

気心の知れた人とならまだしも、車内の無言が耐えられないわたしは、職場の人や迎えに行った初対面の人、送っていく父の知人などに、ひたすら話しかけるタイプだ。舞い上がっていると思われても仕方がないくらい、それはそれは話しかける。
前の職場のひとたちは、うるさい人がいなくなったなあ、と思っているだろうか。
今の職場のひとたちは、やかましい人が異動してきたなあ、と思っているのかな。

ネガティブ思考に陥ってしまったぜ。

けさ、「あまちゃん」のあとCSにチャンネルを変えたら、若い田宮二郎が関西弁を喋っていた。

かっけー

田宮二郎と言えば、世代的には「白い巨塔」&「クイズタイムショック」。
その後の身の処し方からして、暗いイメージが拭えない。

「犬シリーズ」(1964~1967年)とされる一連の映画は、けさ見た「早撃ち犬」を含む9作品が撮られた。田宮二郎は主演の鴨井大介、軽い身のこなしの拳銃使いだ。
劇中、友人に子供が生まれて、赤ん坊を囲んで満面の笑みを浮かべる鴨井大介。早口の関西弁で、役人(財津一郎)相手に軽口を叩く鴨井大介。
さらにこの作品には、天地茂が、あの明智小五郎が、あまりパッとしない刑事役で出演。

かっけー

最後の15分しか見られなかったのが残念。

さっきためしに、「ヒッチハイク」と口に出して言ってみたら、なぜか「ヒッチコック」と言っていた。何変換だ。だいじょうぶか。
朝まで寝ないで待った人だの夜中に起きた人だの、トルコ料理店で待機した人だの。
「歴史的な瞬間」に、立ち会いたいか。

開会式や閉会式で、カラオケ自慢みたいな歌手が歌うのは、是非とも勘弁。
東京都に納税している訳ではないからなあ、オレに言われる筋合いないか。

アトランタのロービー・ロバートソン、アテネのハリス・アレクシーウ、ロンドンのマイク・オールドフィールドやレイ・デイヴィス。
ロンドン、見所だらけで書ききれねえ。

じゃぱんで匹敵するのは、今なら初音ミクかなあ。
トッド・ラングレンが共演相手として目を着けたと噂のきゃりーぱみゅぱみゅとか。
まあ、だいぶ先だからなあ。
「あまちゃん」効果で大友良英に依頼が行くのは歓迎だ。ちんどんやノイズを盛り込んでほしいぜ。

五木八代サブちゃんの演歌勢で固めるのもありだ。閉会式は東京のご当地ソングの宝庫、ムード歌謡で飾りたい。

日本に決まるだの決まらないだの大騒ぎの9月5日、ローフス・ミシュ氏は亡くなった。

映画「ヒットラー最後の12日間」で、いよいよ陥落、という時に呆然としていたミシュ氏(を演じた俳優)が印象に残っている。
あの場面、音楽ともなんともいえない音が、背後に流れていた覚えがある。

といっても、劇場で見たのではなく、何年か前にCSの映画専門局で頻繁に放映されていたのを、切れ切れに見たのだった。

主演は、天使やら総統閣下やら、難役をものにするブルーノ・ガンツ。

ガンツの主演作「ベルリン天使の歌」も、分断されたベルリンを舞台にした、重い映画だ。
そんな中、ピーター・フォークのシーンが文字通り彩りを添えていた。
屈託のない、元天使、現人気俳優。

「ヒットラー最後の12日間」に描かれた総統地下壕の関係者はみな亡くなり、ミシュ氏が最後の生き残りだったという。

ドイツの俳優を殆ど知らない。
ミシュ氏を演じた俳優を調べてみると、そのHeinrich Schmiederは、三年前に亡くなったという。

ふと思い出したが、映画「鷲は舞いおりた」では、ドイツの軍人のはずなのに、全員英語を喋っていて(イギリス映画だから)、ちょっとトンデモ映画みたいだった。

村上春樹のエッセイで確か、映画の原作"The eagle has landed"が、当初「鷲は土地を所有した」と翻訳されていた、と書いていたが、ほんとうにほんとうかな。
わたしの記憶違いか。
朝日新聞連載 プロメテウスの罠「ローンを減らせ」

福島県で自らも被災した司法書士さん。原子力発電所から近距離のため、事務所へ顧客資料も取りに行けない、成年後見人を務める顧客が、どこにいるのかもわからない、という中で、なんとか職務上の使命を果たそうと奔走するさまが描かれていた。
判断の基準がない中であっても、最良の選択ができるようになることが、危機管理だ。


金井美恵子 「金井美恵子エッセイ・コレクション[1964-2013]1 夜になっても遊びつづけろ」平凡社 2013

図書館で借りた。
巻頭、著者22歳のポートレート。真紅のドレスを着て長めのおかっぱ頭の、一見お人形のようだが、床の間の違い棚みたいなところに、体は横に向け、顔だけ正面を向いて頬杖をついている。
著者16歳の投稿や、デビュー以来のエッセイを読むと、読者が馬鹿にされたように感じる、というのは、まさにその通りだと思う。
そう感じない人は、よほど自分に自信があるか、単なる鈍感だ。
9月の歌と、映画の説明について/旨いもの日記
9月の歌と、映画の説明について/旨いもの日記
9月の歌と、映画の説明について/旨いもの日記
9月も後半なのに、この暑さ。

けさ(今となっては昨日の朝)の日刊スポーツ一面に、EW&F"September"の歌詞が載っていた。
歌いだしが、「覚えているか?/9月21日を」だ、そういえば。

9月の歌と言えば、クルト・ワイルが作曲した"September song"。

名だたるポピュラーシンガーがレパートリーにしているが、わたしが親しんで聴いたのは、ルー・リードのヴァージョンだ。
いかにもルー・リードらしい、メロディにもリズムにも、乗っているような乗っていないような、朗読のような歌い方だ。

もうすぐ9月も終わり、「あまちゃん」も終わり。

で、ことしの21st of septemberつまり昨日は、栗コーダーカルテットのコンサートへ行った。

わたしが初めて栗コーダーを見たのは、1997年のメトロトロンワークスだった。

そのときから、音楽は勿論、MCが印象的なグループだった。

今日は映画「ジョーズ」のテーマを演奏するに当たり、
「海水浴場にサメが出てきて、食ったー、食われたーという映画」と説明。

確かにそんな映画かも知れない。

コンサート、とてもよかった。

コンサートのあと、お食事をいただいた。
とても美味しかった。ごちそうさまでした。


9月21日NHK総合「おやすみ日本 眠いいね! 生予告」にて。

「あまちゃん」放送終了後を不安に思う声に対して、宮藤官九郎曰く。
「はじめから半年って、決まってましたからねえ。なかなか終わらない番組を好きになればいいんじゃないですかね。『徹子の部屋』とかですかね。」

徹子ターミネーター説。

「あまちゃん」を初めて見たとき、オープニングでびっくりした。

威勢のいい明るい、リズミカルなオープニングテーマにのせて、

音楽 大友良英

という名前に狼狽えるわたし。

あの、ノイズっていうかターンテーブルっつうか即興演奏っていうか、そんな方ではあるまいか?
それがこんなのどかなドラマののどかな音楽?

わたしの「大友良英」情報は、耳から得たものではなく、すべて雑誌からの文字情報だ。
先入観で音楽をきいてはいかん。
音楽を聴くのに、文字情報だけをあてにしちゃいかん。

ちょっと検索すると、大友氏は映画だけでなくドラマの音楽もいくつも担当している。
とはいえ、地方が舞台だったり、アイドルの楽曲が出てきたり、というドラマで大友氏を採用したひとは、鼻が利くなあ。
NHK-FM 今日は一日プログレ三昧3

長い曲が多いから、尺がすぐ埋まっちゃうのかな。めでたい3回目。

こうして改めて機会を設けないと、なかなかラジオでかからない、プログレ。
だって曲が長いんだもの。
ニューウェイヴ全盛期にラジオをよく聴いていたわたしには、あんまり馴染みがないのだ。

プログレッシブロックに対するわたしの印象。

1.演奏している人が、賢そう
インストが多いからくだらないことうっかり歌詞にして莫迦にされなくて済むし(「ハイウェイスター」参照)、ピアノとかヴァイオリンとか、まっとうな音楽教育を受けた人がやってそう。学歴高めな感じがする。
見た目は、まあいろいろなんだが、ロバート・フリップなんて、仮にインタビューしたりしたら、まともに答えてくれないか、憐れんですっごい丁寧に教えてくれるか、どっちかだなあ。きっと。
ま、受けてくれないだろう、わたしのインタビューは。

2.聴いている人が、賢そう
バンド名もアーティスト名も長い。複雑。
UKはその短さに驚愕したものだ。だって2文字だぜ。
イタリアとかギリシャとかの聞きなれない名前が出てきたりもする。「デメトリオ・ストラトス」とかな。
そういうのをうっかり間違えて覚えるのが、わたしであるのだが。
アルバムタイトルもちょっと宇宙的だったり神話的だったりするわけでしょう。具体例が出てこないが。きっとそうだ。
邦題は邦題マニアには堪らないものがあるが、原題が解らないのでちょっと研究の余地がある。

3.曲がとにかく長い
本日のプログラムの幕開けが、マイク・オールドフィールド「チューブラーベルズ」だ。フルで聴いたの初めて。といっても、何ヴァージョンも録音しているわけだが。
音数多い、楽器の種類多い。構成がクラシック音楽みたい(小並感)。
曲が進んでくると、出だしがどんなだったか、思い出せない。
その割にドラムがどたばたしているのはなぜだろう。
ジャズロックみたいなのは、リズム隊もスマートなんだけどな。

と、全般的に学究的というか、賢い感じである。

そんなに音楽雑誌で頻繁に取り上げられた記憶もないわけで、取り上げたら取り上げたでマニアックになるわけだし、ファンの人が語りたくなるわけである。

「ピーチズエンレガリア」は、やっぱりアンサンブルモデルンに聴きなじんでしまったなあ。あのスピード感はたまらないなあ。

1曲め 
エマーソン・レイク&パーマー「聖地エルサレム」
 栗コーダーのアルバム「蛙のガリアルド」に収録済。違和感なし

2曲め
「笛でやるのはいかがなものか」

キングクリムゾン「太陽と戦慄パート2」
 タイトル告げるや、場内(笑)
 ウクレレ・フィーチャー

3曲め
「来日公演を見てフルートを始めようと思った」(川口)
「あ、始めていたんですね、これからではなくて」(栗原)

ジェスロ・タル「魔女の約束」
 ピアニカ、アコースティックギターに、ディジュリドゥ?
 トラッドの要素が共通するせいか、納得の演奏

4曲め
ピンク・フロイド「アスアンドゼム」
 人力エコー
 時折何故か場内(笑)

「ここまでは大丈夫なんですよ」

5曲め
「川口さんの楽器に注目」
「音、薄いですよ」
「『トランスヨーロッパエキスプレス』って言葉に注目してください」
「超特急じゃないです」シベ超じゃない

クラフトワーク「ヨーロッパ特急」
 口琴フィーチャーの「トランスヨーロッパエキスプレス」が聴きもの
 クラフトワーク、プログレなんだね

6曲め
「有名だけど演奏するのが恥ずかしい曲」
「キーボードの人が大活躍している曲」

フォーカス「悪魔の呪文」
 超絶!口三味線!
 ウクレレソロ
 口笛を吹こうとしている栗原さん

「結成20年になるが初めてのことばかり」
「ちょっとむなしい」むなしいのか

7曲め
「これはたいへんにいい曲」

ジェントルジャイアント「シンクオブミーウイズカインドネス」
 落ち着いたアレンジ
 ほんとうにいい曲

8曲め
「最後の曲です」場内えー?「大丈夫結構長い」「長くて有名」
「恐ろしい企画に参加してしまいましたね」
「リハに10時間」

イエス「ラウンドアバウト」
 ほんとうに有名曲
 完璧なアレンジ、ウクレレソロすげえ
 スティーヴ・ハウに聴かせたい
 ビル・ブルフォード(ブラッフォードとは言わないらしい)にも聴かせたい