今日も鹿島アナ

2013年12月5日 TV
12月5日「おはよう日本 まちかど情報室」

音響機器の紹介VTRでショパンのプレリュード(太田胃散分包のCM曲)が流れて、

「胃腸の調子が悪いわけじゃないですよ」
新聞を読んでいる間、ずーっと歌っていた


病状の悪化が伝えられていたマンデラ氏が亡くなった。

高校三年生になったばかりの4月に、イギリスでヒットした曲。
Special A.K.A. "Nelson Mandela" (1984)
イギリスは音楽マーケットがちいさいためか、若い人に支持される曲がチャートの上位に入っていた。
スペシャルズやUB40が流行っていると聞くと、イギリスでスカやレゲエが人気あるのはなぜだろうと思ってみたり。
たまにフットボールチームの応援歌がチャートインしたりもした。
いまはどうなんだろう。

アフリカ大陸を、各々の国を単位に考えたことがなかった。
ネルソン・マンデーラって?
スカのリズムにのって、軽快に、「ネルソン・マンデーラに自由を」と歌っていた。

写真で見るネルソン・マンデラは、アフリカ・バンバータみたいな偉丈夫だった。
ファンクの親玉みたいな印象。
あんまり目つきがいいとは言えない写真だった。

翌85年には、あるプロテストソングがリリースされた。
Artists United Against Apartheid "Sun City" (1985)
ブルース・スプリングスティーンのE.ストリート・バンドにいたリトル・マイアミ・スティーヴンが中心となって作られた曲だ。

サン・シティは南アフリカ共和国にある保養地で、政策として人種隔離を行っている現地では当然白人専用。その施設に欧米から呼ばれて演奏する音楽家に対する反感から作られたと聞いた。

「絶対にサン・シティなんかで演奏しない」

ミュージック・ヴィデオでは冒頭、のんきな音楽にのせて、「すてきなエンターテイナーに癒される」とサン・シティの紹介VTRが流れるや、いきなり発砲と逃げ惑う人たち。
そしてマイルス・デイヴィスのソロ。
ラップやサンプリングを使った、所謂とんがった音楽だが、驚くほど多岐に渡る音楽家が参加している。

同じ演奏家という立場で、サン・シティで演奏する音楽家がいるのが許せない、という怒りがある。

「世界に平和を」「飢えをなくそう」という他へ対するメッセージではない。

「お前なにしてんだよ」
という、音楽界の内に対する怒り。

長い服役から釈放されたマンデラは、写真で見たのとはずいぶん違って、鶴のように痩せた老人だった。

今の若い人に、アパルトヘイトと言っても、あんまりピンとこないかも知れないな。

日常を彩る耳残りサウンドたち


駐車場から職場まで、ほんの数分ながら、音楽を聴く。
寒くなるとなおのこと、景気づけだ。
最近のてくてくミュージックは、
Todd Rundgren "Love Science" (1990)
思いっきりソウルフルでファンキーなナンバー。

かっこいー。

ノリノリで職場について拭き掃除を始めると、なぜか全く違う曲を口遊んでいるのに気がついて、唖然とする。

Dexys midnight runners "Come on Eileen" (1982)

…なんでだろう。ノリノリを返せ。

思い出すのはフィドルやバンジョー(か?)を手に、素肌にジーンズサロペットの、どことなくイナタい若者が歌い踊るプロモ映像。

これもある意味ノリノリか。
しかし、わたしが朝のひと時に理想としているノリノリとは、ノリノリの種類が違うような気がする。

そのうえふと思い出してしまったのが、この曲の収録されたアルバムの邦題。

『女の泪はワザモンだ!!』

なにを狙ってかくなるタイトルをつけたのだろう。
ちなみに原題は、"Too-rye-ay"。
ワザモンて…

なんてことを考えながらお掃除をしているとは、同僚は誰一人知らない。


今日のお言葉

2013年12月11日 日常
帰宅すると、母が「第46回日本有線大賞」(TBS)を見ていた。

本日受賞のみなさんの紹介を見ていたら、きゃりーぱみゅぱみゅが。

「この子、本名なんだってね」

え、え~!?

「本当はもっと長いらしいよ」

ま、まじすかかあちゃん。
エルヴィス・コステロ、最初に見たのは23歳の時だった。


Elvis Costello & The Imposters "Spinning Wheel Tour Japan"
行ったのは12月13日金曜日、会場は六本木EXシアター。

「曲順は巨大ルーレットで決める」というシステムが、どんなもんだか気になったのが、公演1週間ほど前。
投稿動画など見ると、観客がステージに上げられて、からからとルーレットを回すらしい。

ステージに上げられたらどうしよう。
"Shipbuilding"って、通じるかなあ。自信ないなあ。

などと考えつつ、寒い寒い六本木の、最近オープンしたホールに到着。
階段を下る。地下二階。
椅子席が取れず、スタンディングへの恐怖におののいていたが、整理番号のわりにはステージ近くを陣取ることができ、恐怖が吹き飛ぶ。

開演前は余裕綽々だったのだ。

周りを見回すと、まあだいたいご同輩が多いかな、と見た。

彼らも余裕綽々だったのだ。始まる前は。

そして待ちに待ったメンバー(もちろんピート・トーマスもスティーヴ・ナイーヴも)&御大登場。
登場するや、"I hope you’re happy now"がスタート。2曲目で"Heart of the city"が演奏され、嬉しいったらありゃしない。
ノンストップで5曲を演奏。おっさん喉強いぜ。

噂通りさっそく観客がステージへ上げられ、ルーレットを回す。
回したお客さんはそのままステージ上で、コステロのすぐ横の椅子に掛けて演奏を聴く。すげえ。

ステージ下手には時折ダンサーのおねいさんが登場し、カッコよく踊る。

コステロの音楽、踊っていいんだね。
「踊ってください」だったか「踊りましょう」だったか、日本語でかかれたボードも出してきたしな。あんまり使われていなかったが。

なんだかすっかりベテランになってしまった感のあるコステロだが、踊る音楽をやっている、という自覚が嬉しいな。

しかし、"Tokyo storm warning"あたり(セットリストによると11曲め)で、わたしに早くも疲れが。
というか、なんとなく時節柄、このタイトルは、ちょっとなあ。
続いてあまり好みではない"She"が演奏され、ひとり休憩モードとなる。

コステロは何度もギターを持ち替え、休むことなく、演奏し、歌う。
と思えば突然、ステージを降りて観客のいる中を歌いながら歩いてみたり。
"God give me strength"では、コステロが会場内のどこにいるのか、完全に見失う。

いったんメンバーが下がったので(セットリストだと17曲をすでに演奏)、あとはアンコールかなと思ったら、
後で振りかえったらそこが折り返しだった。

この後さらに、17曲を演奏。

今日は演奏しないかな、と思っていたら、"Shipbuilding"を演奏してくれてうれしかった。
終盤は、"Everyday I write the book" "Alison" "High Fidelity"など、場内合唱モード。
最後は"(What’s so funny `bout) peace, love and understanding"で大団円。

ニック・ロウが書いた「平和と愛と理解のどこが可笑しいんだい?」というこの曲が大好きだ。

wowowの中継も入り、大いに盛り上がったライヴだった。
終演後、会場内のそこここから、「腰痛い」「首痛い」「足痛い」の声が。
そして二階分の階段を、集団ゾンビと化してのそのそ上がるおっさん、おばさん達。
ここは地下二階だったのですね。
約3時間、殆ど休憩もなく歌い切ったコステロ。
片や体力の潰えたわたしは、日頃の運動不足を痛感しながら、冬の六本木をそぞろ歩くのだった。
RIP

Todd Rundgren "Wailing wall"

Laura Nyro "Up on the roof"

Paul McCartney & Wings "Wonderful Christmas time"

ムーンライダーズ「スカーレットの誓い」

Donny Hathaway "This Christmas"

XTC "Thanks for Christmas"

Nick Lowe "Christmas at the airport"

ムーンライダーズ「D/P」

ムーンライダーズ「駅は今、朝の中」

ムーンライダーズ「ダイナマイトとクールガイ」

NRBQ "Christmas wish"

(アンコール)
ムーンライダーズ「スカーレットの誓い」(ライヴ)
2007年放映「ムーライダーズ 30年のサバイバル~Who’s Gonna Die First?」(NHK BS2)より
2013年クリスマスの旨いもの日記
2013年クリスマスの旨いもの日記
2013年クリスマスの旨いもの日記
La Monteeはとても親切なお店。

オードブルにはサンタさん。
ぱっくり、いただきましたよ。

デザートは樅の木の形のお菓子や富士山の形のアイスクリーム。

メインもパンも、なにもかも美味しかったです。

タルトは相方さんからのプレゼント。
手作りです。
凝ってますねえ。
おいしいねえ。
いつもありがとうです。

ご馳走さまでした。

その手があったね

2013年12月29日 日常
中古車販売店にて

「無人展示会 開催中! 12月28日から1月3日まで」
始業前の雑談から


4月から配属が変わった。
つとめて同僚と雑談などしている。

うっせえばばあ、などと思われていないことを切に願う毎日。

それはさておき、ポール・マッカートニーが来日するが行けないなあ、など話したところ、同僚の若手からこんなことを言われた。

「ライヴって、CDの演奏よりどうしても落ちるじゃないですか」。
そこが残念、と。

そんなふうに考えてライヴに足を運んだことは一度もないが、彼の言わんとしていることは判る。

で、ふと思い出したのが、学生時代の知人。

マイアミサウンドマシーンの「コンガ」という曲のピアノが、ミスタッチが多すぎて聴いていられない、という。

彼女はピアノが得意で音感にもすぐれているそうで、バンドをやっている人に頼まれてギターソロの採譜をやっていると言っていた。
日頃Top40ヒットが好きでよく聴いているようだったので、そんなことを言い出すのが意外だった。

マイアミサウンドマシーン、別に素人バンドではないし、ノリ優先で間違っちゃったけどOKテイク!ってこともまさかないだろう。
結構パーカッシブなピアノ演奏で、この曲の象徴的な部分である。
すくなくともわたしには、こういう音楽だとしか聴こえない。

知識があるってのも、不自由なもんだとそのときわたしは思った。

録音されたものがお手本で、ライヴはそのおさらいである、などということがあるわけがない。どっちがいいなんてことはない。
むろん、お金を返せとは言わないが、なにか納得がいかないライヴもあることはあるが、別に、もっともミスの少ない演奏を聴きたいわけではないのだ。

そもそも、演奏されるために作られているのが音楽じゃないか。

最近、トッド・ラングレンの"2nd wind"をよく聴いている。
聴衆を前に録音されたライヴレコーディングで、聴衆の反応は制約されていて殆ど聴かれない。
お客さんの前で、バンドが一発録りをしているのだ。
けっこうな緊張感が感じられる。

トッドは、スタジオ録音盤のようなサウンドでありつつ、「客前じゃないと得られない、特別ななにかを併せもった作品」を目指した、と言う。

ライヴには何とも言えない、ファンタジックな瞬間がある。会場全体が、暖かい雰囲気に満たされる一瞬がある。
それが忘れられなくて、ライヴ会場へ足を運ぶのである。

参考 ポール・マイヤーズ『トッド・ラングレンのスタジオ黄金時代』(P-Vine BOOKs 2011)
あしたになればお正月
お正月といえば


と歌いだすロックがある。
はっぴいえんど「春よ来い」