踊ろう、赤い靴

2012年12月9日 TV
職場の友人は、ひとり娘にバレエを習わせていた。それを知ったとき、わたしはひとり感激した。

ついにそんな時代が来たのだ!
バレエを教えてくれるところも、習いたい子供も、習わせたい親もいるのだ、この地域に!

ドラマ「赤い靴」は、子供のバレエ教室ではなく、年若いがきっとバレエを職業としていくのであろう人たちを描いた物語であった(と思う。例によって物語の記憶はあいまい)。
なんといっても印象に残るのはやはり、オープニングを飾る主題歌である。
歌詞(ただし一番だけ。二番以降があったかどうかは知らない)もメロディーも、例によって覚えている。

踊ろう赤い靴 光の湖で 小鳥が舞うように きれいな輪を描こう
果てない美しさ 求める赤い靴 光の波間から わき立つ夢
心と心の窓 開いてゆく その靴音
みんなが辛い時 わたしも辛いけど 選んだ道だから 歩いてゆく

作詞は岩谷時子によるという(出典・ウィキペディア)。メロディーがなくとも詩として読めるし、字余りにならないし、途中でいきなり英単語が出てきたりしないんだyeah。6歳児(当時)の心に残る、美しい歌詞である。
そもそも昔のドラマの主題歌は、ちゃんとタイトルを歌いこんでいた。「なんたって18歳!」とか「1・2・3と4・5・ロク」とか「ケーキ屋ケンちゃん」とか。あ、ケンちゃんは「だってだってだってぼくんちケーキ屋なんだもん」だったか。自分で自分のこと「ケンちゃん」とは言わないか。
わたしは「こがらしさん」であるのだが。

その頃わたしは小学校の友達と、近所にあった元は事務所だったと思しき建物で、バレエごっこをして遊んでいた。そこは誰も使っていないのに鍵がかかっていないという不思議な建物で、誰にも断らず勝手に入り込んで遊んでいた。今ならもれなく警備保障が飛んで来るな。
「飛んで来る」はもしかしたら地域語かも知れない。走って来る、急いで来るの意。

窓枠をつかんで、それらしく足を動かして遊んでいたが、バレエを習いたいとはまったく思わなかった。自分に適性があるとかないとかではなく、違う次元のお話だと感じていたからである。
ちなみに娘にバレエを習わせていた友人は、漫画「エロイカより愛をこめて」を読んで本気でNATO職員を目指したという。かくいうわたしは、「少年探偵団に入るにはどうしたらいいか」が学童時代のテーマだった。

いずれも次元違い過ぎ。